貝覆い(かいおおい)

(写真: 4枚、4枚目の「貝桶」は参考資料)

(写真: 4枚)

わらべ館コレクション

制作年

江戸時代

制作者

不明

寸法

(1枚のおおよそ)幅800mm×奥行600㎜×高200mm

紹介

解説: はまぐりのような二枚貝は、異なる個体同士では貝殻がぴったりと合いません。貝覆いはその特性を利用して、貝殻の正しい組み合わせを見つけるトランプの神経衰弱のようなゲームです。二枚貝は一組だけがきれいに組み合わさることから、貝覆いは夫婦和合の象徴とされ、室町時代の後期には、高貴な家の嫁入り道具に含まれるようになりました。

遊ぶための道具は、太陰暦による1年の日数の目安とされる360個の貝と、それを納める貝桶という八角柱の入れ物です。一つの貝(2枚の貝殻)の内側には、源氏物語の一場面や花木など、まったく同じ絵柄が描かれ、片方を「出し貝」もう片方を「地貝」とします。

遊びかた: 2人以上で遊びます。地貝を伏せて10枚程度丸く並べ、その外側に15,6枚、さらにその外側へと何重にも同心円をつくります。貝桶から1枚出し貝を取り出すと、それに合いそうな地貝を選び、ぴったり合えばその1組は自身の前に置き、合わなければ元に戻します。組み合わせを多く集めた人の勝ちとなります。

参考文献:
『伝統ゲーム大事典』高橋浩徳著 朝倉書店 2020年
『日本人形玩具大辞典』(一社)日本人形玩具学会編 東京堂出版 2019年
『日本遊戯史』酒井欣著 建設社 昭和8年

ひとこと

現在では「貝合わせ」という名称の方が定着していますが、「貝合わせ」はもともと別の遊びであり、江戸時代に名称の混濁、変遷があったようです。

展示場所

3階 「おもちゃの部屋」 2022年1月~4月中旬