振り子の馬
(写真: 5枚)
(写真: 5枚)
1995年
制作
ヴォルフガング・ヴェルナー Wolfgang Werner ドイツ
寸法
幅265×奥行(たたんだ状態)265×高さ160mm
奥行(伸ばした状態)730mm
素材
木材
紹介
ドイツ南東部、チェコと国境を接するエルツ地方では、小規模の工房が手掛ける木のおもちゃづくりが盛んです。その代表的なものはくるみ割り人形。ロマン派の作家E.T.Aホフマン(1776~1822)による「くるみ割り人形とねずみの王様」の中では、少女が大切にするクリスマスプレゼントとして登場します。
エルツ地方のなかでもザイフェン村のおもちゃは、その木工ろくろの技法、鮮やかな彩色、愛らしい人形の表情など様々な魅力を備えています。ロシアのえさをついばむ鶏や擬人化された熊のモチーフでよく知られているように、振り子を用いたおもちゃは世界各地にあり、おもりに付けられた糸の張り具合で動物の脚や首が動く仕組みになっています。
ザイフェンの振り子の馬は、騎士や貴婦人らが1頭の馬を駆る姿が一般的ですが、今回の作品は、パンタグラフ状の台座を兼ねた取っ手を開閉すると、8頭の馬が一斉に走り出し、競馬の場景を演じます。葦毛や栗毛の馬たちが、たてがみと尾をなびかせて疾走する様が壮観です。
ひとこと
エルツ地方ザイフェン村のヴェルナー家からは玩具制作に携わる三兄弟が誕生。今回はしかけが得意な次男の作品を紹介しました。長男クリスティアンは伝統的技法「ライフェンドレーン」を扱える数少ない技能者の一人。三男ジークフリートは父ヴァルターとともにくるみ割り人形などろくろ細工の人形を手掛けています。
展示場所
3階 ギャラリー童夢 おもちゃと遊びの企画展「ドイツへのいざない」(2021年11月28日まで)
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