機動蒸気車
製造年
明治20年前後(1880~90年代)
製造会社
不明
紹介
明治中期に日本で作られたブリキ製のおもちゃ「蒸気機関車」。ゼンマイ式で、ねじを巻くと前進する仕組みです。
黒く塗られた木製の台座と煙突部分を除くブリキの車体は、ほとんど塗料が落ちていますが、端の方には朱赤が残り、運転室の窓枠や鋲は金茶で表現されています。
車体正面と側面の端には、ユリと菊花を合わせたような模様がプレスされており、華やかなイメージの車両です。
振動に応じてチリンチリンと鈴が鳴ります。
ひとこと
国内でゼンマイをおもちゃに組み込む技術は、明治15、16年頃から普及しはじめました。
また、ブリキ板に印刷する技術が用いられたのは明治30年頃からとされ、それまでは手塗りのため、少し厚ぼったい塗料の跡が残っています。
扉に「機動蒸気車」と墨書された専用の木箱に入れられています。往時のぜいたくなおもちゃの一つです。
展示場所
3階おもちゃの部屋(2019年6月27日まで)