ナシミエントのからくり

(写真: 6枚)

(写真: 6枚)

わらべ館コレクション

制作年代

1970~1980年代

制作

フェリーペ・ゴメス・キンテーロ

制作地

メキシコ・オアハカ

寸法

幅24cm✕奥行13cm×高さ20cm

おもな素材

木材、金属

紹介

ナシミエント(nacimiento)とは、スペイン語で「誕生」を意味しており、メキシコではクリスマスに飾られるイエスキリスト降誕の場面を表した模型や人形の組合せの名称となっています。

メキシコのクリスマスは、年をまたいで長くにぎやかに祝います。11月下旬からクリスマスの準備を始め、ツリーとナシミエントを飾り、12月24日までに少しずつツリーの下にプレゼントを置いていきます。

さらに新年を迎えた1月6日は「公現祭」とされ、イエスの誕生を祝うために東方より三博士が到着した日、またイエスが受洗した日として祝い、こどもたちは再びプレゼントを貰える日となります。そして翌日以降、ナシミエントはツリーとともに片付けられるのです。

等身大の人形などを組み合わせた大きなナシミエントは、公園や広場など公共の場に置かれ、家庭には小型の人形セットや模型が飾られます。人形は生まれたばかりのイエス、聖母マリア、父ヨセフ(メキシコではホセ)、大天使、東方の三博士がすべてのナシミエントに登場し、その他、羊飼いや牛、羊、ロバなど動物たちが加わります。

本資料は、馬小屋に見立てた木箱の中央壁面に星が流れ、そのもとに幼子のイエス、イエスの両側には大天使、マリアとヨセフ、三人の博士が、手前には牛とロバがイエスを見守っています。向かって右側にある針金のハンドルを回すと、糸でつながった天使と大人たちの両腕は、イエスを拝むかのように上下します。メキシコらしい鮮やかな色使いと素朴な人物描写は、厳粛で神秘的な場面にも親しみを感じさせてくれます。

ひとこと

メキシコでは12月16日からはじまるマリアとヨセフの巡行を模した祭り「ポサダ」が、クリスマスシーズンをおおいに盛り上げます。街路樹や庭木、バルコニーなどにくす玉のような大きな星型のピニャータが吊下げられ、祭りの日にこどもたちが棒でたたいて割ると、中からたくさんのお菓子が落ちてくるというお楽しみが待っています。

展示場所

3階おもちゃの部屋(2023年1月6日まで)

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