オートマタ(からくり)「羊の反逆」
原題
“sheep shearing man”(羊毛を刈る人)
製造年
1992年
制作
ロン・フラー(Ron Fuller)
寸法
幅7㎝×奥行24㎝×高さ19㎝
紹介
ロンドン郊外にあるキャバレー・メカニカル・シアター(以下CMT)は、オートマタ(からくり)おもちゃの工房として、イギリス人のみならず、海外から優れたオートマタ作家が集まり、ユニークな作品を次々と生み出しました。
今回の作品は、そのうちの一人ロン・フラー(1937~2017)が手掛けたもの。ロン・フラーは、イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、1972年から本格的なおもちゃ制作の道に入ります。古いおもちゃの中でも特にドイツのブリキのおもちゃや民俗玩具からひらめきを得ていたそうです。本作と「ライオンと調教師」は、彼自身だけでなくCMTを代表する作品となりました。
本作の動きにはストーリーがあります。ハンドルを回すと、羊は人間の首をちょん切ろうと大きなはさみを動かし、人間はぎりぎりのところで身をかがめて刃を避ける、のくりかえし。しかし、ある時とうとう大きな刃が首に…! というスリリングな仕掛けは、歯車がむき出しのからくりを見てもなかなかわかりません。
ひとこと
本作の英語の原題は「羊毛を刈る人」という意味ですが、日本語タイトルの「羊の反逆」は、ストーリーそのものを表現、来たるべき災難の予兆が感じられます…。
展示場所
3階 キュービックギャラリー