モリムラドール
(写真: 5枚)
(写真: 5枚)
1915~1922年
制作
モリムラ・ブラザーズ
寸法
胴囲400×高さ350mm
おもな素材
頭部/陶磁、胴・四肢/コンポジション(おがくず等を固めたもの)
紹介
1878年(明治11)にアメリカ、ニューヨークに開設したモリムラ・ブラザーズ※は、陶磁器の「ノリタケ」ブランドでも知られる森村商事株式会社の現地法人として日本製品の卸売業を軌道に乗せ、事業を大きく発展させました。1914年(大正3)に起こった第1次世界大戦においては、ドイツからのおもちゃや人形の輸出が滞ったのを商機ととらえ、陶磁器製造のノウハウを生かし、自社製のビスクドールをアメリカで販売し、外貨を獲得していきました。しかしながら、その命は1915年から1922年までの短いものでした。
こちらの人形は、その「モリムラドール」と呼ばれる日本製ビスクドールの一体です。状態から見て、ヘッドドレスの一部以外のドレスと靴は当時のものではないようですが、1910~20年代の雰囲気が伝わるワンピースとボレロがとてもおしゃれな女の子です。
※モリムラ・ブラザーズの前身にあたる「日の出商会」は1876年(明治9)に営業を始めています。
ひとこと
ビスクドールには、後頭部に「ヘッドマーク」というメーカーのロゴや品番などが刻印されています。こちらの人形では、○の中の「木」の図案の左右にM(モリムラ)とB(ブラザーズ)が記された「スパイダーマーク」と呼ばれるロゴがあり、その上にモールド番号の22、下に筆記体のJAPANとサイズ番号の7が見て取れます。
展示場所
3階 おもちゃの部屋 「夢とあこがれ」