1936年ベルリンオリンピックめんこ
(写真: 2枚)
(写真: 5枚)
1936年
制作
不明
寸法
縦700×横440mm
紹介
めんこの歴史は19世紀前半にさかのぼり、大人のお座敷遊びとして「庄屋」「狐」「狩人」の札を出し合い勝敗を決める三すくみ拳がはじまりとされています。比較的静かに札の取り合いを楽しんでいた遊びが、土を固めた泥面子(狙いを定めて投げる遊び)と結びつき、鉛面子(相手の面子に投げつけて裏返す遊び)に発展、さらに近代以降、印刷や製紙の技術が進み、ボール紙の面子も1色刷りから多色刷りへと鮮やかに、かつ細かい表現もできるようになりました。
描かれる内容は歴史上の武将や偉人のほか、当時の有名人、たとえば歌舞伎役者や映画俳優などの芸能界、あるいは野球選手や力士などのスポーツ界から選ばれた、いわばスターたち。面子はプロマイドの役割も果たしていました。また、戦争の時代は、軍艦や兵器、軍人、それから戦場の様子も描かれ、ニュースを絵で知る機会にもなりました。
今回紹介する面子は、1936年のベルリンオリンピックに出場した選手をモデルにしています。陸上と水泳、馬術の競技に選ばれし精鋭10人。その中には、前回のロサンゼルスオリンピックで金メダルを取り、後に硫黄島で戦死した西竹一(障害馬術)や、朝鮮に生まれながら日本代表として出場し、金メダルを獲得した孫基禎(ソン・キジョン、面子では「基順」)(マラソン)などの姿が描かれます。
裏側は、面子の初期型である三すくみ拳の名残「ぐー」「ちょき」「ぱー」の絵や「タンク」「重砲」「装甲車」などの兵器の名称が、ベルリンオリンピックを象徴する鷲と五輪の足元に描かれています。
ひとこと
この当時、日本水泳連盟は「日本水上競技聯盟」という名称で活動しており、面子の中でも水泳選手は「水上(名前)選手」と紹介されています。
展示場所
3階「おもちゃの部屋」(2021年9月5日まで)
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