木ころん
(写真: 4枚)
(写真: 4枚)
2020年
制作者
有限会社坂本⽊⼯所
制作地
⿃取県琴浦町
寸法
幅30mm × 厚さ10mm × ⻑さ135mm(1ピースあたり)
おもな素材
木(鳥取県産ヒノキ)
紹介
鳥取県産材のヒノキを使⽤した板状の積み⽊です。
⼀つ⼀つ面取りされ、丁寧に仕上げられています。木目は美しく、⼿触りは吸いつくように滑らかです。積み⽊同⼠が当たった時に鳴る「コロンコロン」という高い音にちなみ、「木ころん」と名づけられました。遊んでいるとヒノキの良い香りがふわりとします。
素材には、⽇本家屋の障⼦や襖などを作る「建具」⽤の⽊材が使われています。何度も滑らかな開け閉めが求められる建具は、ねじれや反りが⼤敵です。そのため、⼗分に乾燥した⽊材から、節や⼤きな⽊⽬の乱れのない部分が選ばれます。「⽊ころん」も歪みの少ない部分を使⽤し、縦横が真っすぐになるよう加⼯されているので、何段も安定して積み重ねることができます。
⼨法は、尺貫法という古くから⽇本建築や建具で⽤いられてきた、⽇本⼈の⽣活に馴染む⼤きさの単位で計算されています。幅はドアなどの厚みと同じ1⼨(約30mm)、⻑さはこどもの拳2つ分を基準に4⼨5分(約13.5mm)となっており、こどもが持ちやすい⼤きさに設計されています。
同⼀の板が複数あるので、年齢を問わず1⼈でも複数⼈でも楽しめます。積み上げたり、崩したり、並べたり、敷き詰めたりと、遊び⽅は⾃由です。平⾯作品、建築模型やごっこ遊びの調度品、⼤きな造形物を作ることもできます。
また使⽤されるヒノキは、森林や⽣物に配慮のある環境で育ち、適切な加⼯が施された⽊材だということが認められ、SGEC認証※を受けています。「⽊ころん」は、環境にも優しいおもちゃなのです。
※SEGC(エスジェック)認証
SGEC=Sustainable Green Ecosystem Council:緑の循環認証会議。適切かつ持続可能な森林経営が⾏われている森林や経営組織などを認証する制度で、国際基準を満たした⽇本独⾃の規格です。SGEC認証製品を購⼊することで、消費者は⽣物多様性の保全や持続可能な森林経営を⽀援することができます。
ひとこと
2020年に当館は、⽇本⽊材学会から第70回⽇本⽊材学会⿃取⼤会の開催を記念して「⽊ころん」の寄贈を受けています。学会の社会貢献活動として⽊のおもちゃを開催地の施設に贈呈するという学会初の試みでした。その栄えある贈呈品に2015年に発表された「⽊ころん」が選ばれたのです。
残念ながら⼤会⾃体は新型コロナウイルスの影響で中⽌となりましたが、参加予定者数の1000⼈にちなみ、1000個の⽊ころんが贈られました。
展示場所
2階3階おもちゃの部屋
※3階 ギャラリー童夢にて2024年11⽉17⽇まで展⽰。2階あそぼう広場では遊ぶことができます。
参考⽂献・Webサイト
- 取材協⼒ 有限会社坂本⽊⼯所
- 「林政ニュース 625号』(株)⽇本林業調査会発⾏、2020(令和2)年3⽉25⽇
- わらべ館HP「⿃取県産のおもちゃ 「⽊ころん」 」2024年10⽉4⽇最終閲覧
- 「国際森林認証制度 SGEC/PEFC ジャパン」2024年10⽉4⽇最終閲覧
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