高木東六自筆の色紙・短冊~水色のワルツ~
揮毫年
不明
紹介
高木東六(1904~2006)は、鳥取県米子市出身の作曲家です。童謡やオペラ、シャンソン、歌謡曲など幅広いジャンルを手掛けました。代表作の「水色のワルツ」は、昭和25年(1950)にレコードで発表された作品です。作詞は藤浦洸で、歌は二葉あき子が吹き込みました。
高木がこのメロディを作ったのは、疎開先の長野県伊那町(現・伊那市)でのことでした。散歩している時にふと湧いて出たというメロディは、「必ず人の心をなごませる、庶民の愛唱歌になりうる、とおもった」と自伝に記しています。楽譜を詩人の藤浦洸に送り、歌詞がつけられると「ぼくのメロディに、どんぴしゃりの歌詞だ」と気に入りました。
当時専属で働いていたレコード会社のビクターに曲を持ち込みますが、レコード化を断られてしまいます。次に持ち込んだコロムビアでレコード化にこぎつけ、同社の専属歌手であった二葉あき子を歌手に指名しました。終戦後間もない昭和25年(1950)に発表されたこの曲は、戦争に廃れた人々に受け入れられて一世を風靡する大ヒット曲となりました。
この色紙と短冊は平成27年(2015)に入手したもので、水色のワルツの冒頭の楽譜がかかれています。一点ものの色紙と短冊をぜひご覧ください。
ひとこと
レコード発売当初は、あまり話題とはなりませんでしたが、主題歌となった同タイトルの映画が封切られると徐々に人気に火がつき、大ヒットとなった曲です。
展示場所
1階「鳥取の音楽家たち」出入り口付近、「鳥取の11人の音楽家たち」の写真や機器の隣に展示しています。(~2020年3月末まで)