クーバリアスのプルトイ
(写真: 6枚)
(写真: 6枚)
1990年代
制作
クーバリアス(kouvalias)ギリシャ
解説
第二次世界大戦の直後、大工を営んでいたジョン・クーバリアスは、二人の息子ニコスとアンドレアとともにおもちゃを作りはじめ、ここにクーバリアス社が誕生しました。1960年にはアテネ郊外に広い工房を設置。兄弟による丁寧な作業工程に裏打ちされた高い品質の作品が評価され、1970年代には各国へ輸出されるようになりました。
1990年代、オリンポス山の麓カテリニに工場を構え、作品は現地のブナ材を加工、着色して作られました。当館の所蔵品は、その当時のものです。
同社の製品の特長は、まず塗りの美しさにあります。各パーツを塗料に浸して着色するため、色ムラが無く、刷毛目なども見られません。塗料に厚みがあり、硬いブナ材を用いているので、ぶつけた跡も目立ちにくく、すぐに剥落することもありません。赤、青、黄、緑などの原色が多用されていますが、経年でやや深みのある色調に変化していきます。
なお、当館所蔵の元箱にはそれぞれ品番が入っていますが、名前らしきものはありません。下記の商品名は、日本国内の代理店、もしくは初期に販売を手掛けた店舗で付けられたものと思われます。
◆ローリングダック:あひるが荷台?に載せた真っ赤なたまごをコロコロ回しながら進みます。たまごは車輪との摩擦によって回転しています。
◆クルクルファンタジー:謎の動物(六本足の虫?)の背中からはカラフルな球がついたバネが放射状にのびています。ひもをひっぱると、その名の通り、バネで球を揺らしながらクルクルと回りだします。
◆ダンシングドッグ:ひもをひっぱると、丸いクッション型の足先が横旋回しながら移動します。
◆デンデン:かたつむり型のプルトイです。バネの触角がゆらゆらと動きます。
◆風車:風車の羽根がバネと球になっていて、車が動くと小刻みに揺れながら回転します。
◆リズムスニーカー:前後に動かすと、歩行器のカタカタのようにスニーカーの甲の部分にある鉄琴をバチが叩きます。
展示場所
1階「エントランスホール」2024年4月下旬まで(一部は体験できます)
3階「おもちゃの部屋」同年5月末まで
参考