海を越えた「てるてる坊主」
(写真: 4枚)
(写真: 4枚)
1976年
発行
キングレコード
紹介
このレコードに収録された「Teru terubouzu」はイタリア語と日本語で歌われています。1976年にイタリアで開催された国際児童音楽祭「第18回ゼッキーノ・ドーロ」に出品された作品です。
ゼッキーノ・ドーロは、イタリアのボローニャで1959年から開催されている子供の歌の歌唱コンクールで、その様子はテレビとラジオで中継されるほど人気です。会場では、イタリア国内からの曲と、外国から出品された曲が演奏されます。“子供のための歌を、子供が歌い、子供が審査する”という特色あるコンクールで、審査員も3~12歳の子供が務めていました。(第51回からは大人も加わっています。)
レコードジャケットに「みんなが知ってる『てるてる坊主』がイタリアの音楽祭で優勝しました」とあるように、外国曲部門の優勝にあたるゼッキーノ銀貨賞を獲得しました。歌っているのは現在オペラ演出家として活躍する粟国淳さん。当時は小学生でした。
イタリアの音楽祭への出品曲ということで、基本はイタリア語で歌い、途中に3番の日本語詞が入り、またイタリア語に戻る、という構成です。イタリア語と日本語では歌詞の内容も少し異なるのですが、イタリア語パートには「てるてる坊主って何?」というてるてる坊主そのものを紹介する歌詞も入っています。レコードジャケット裏面の歌詞はイタリア語表記だけでなく、カタカナでも書かれており、日本の子供たちもレコードを聴きながらイタリア語で歌えるようになっています。
原曲は大正10(1921)年に浅原鏡村が『少女の友』六月号(実業之日本社)に詩を、翌年に『童謡小曲』第二集(山野楽器店)で中山晋平が曲を発表しました。大正時代に生まれた曲が半世紀以上の時を超え、イタリアの地で評価されたのです。
レコードB面には、第13回ゼッキーノ・ドーロに出品された「唐手」が収録されています。
ひとこと
「黒猫のタンゴ」や「ちびっこカウボーイ」「トレロカモミロ」「44ひきのこねこ」「ママごめんなさい」も実はゼッキーノ・ドーロから生まれ、日本語に訳され親しまれている曲です
展示場所
1階 童謡コーナー(~令和7年2月18日まで)2月20日~4月15日はうたの広場にて展示
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