セノオ楽譜No.98「濱邊の歌」

(写真: 5枚)

(写真: 5枚)

わらべ館コレクション

発行年

大正7年(1918)

発行所

セノオ音楽出版社

紹介

セノオ楽譜は、明治末期から昭和初期にかけてセノオ音楽出版社(主宰:妹尾幸陽)から発行された楽譜シリーズで、歌曲を中心に1,000点以上が発行されました。

多くの表紙画を竹久夢二が手掛けており、現在では音楽ファンよりも夢二作品のコレクターがセノオ楽譜を求めることが増えています。今回紹介する「濱邊の歌」も絵の左下にサインがあるように、夢二の装幀によるものです。

この曲は、林古渓が「はまべ」と題して、東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)の楽友会編集の雑誌『音楽』(大正2年8月)に3節の詩を発表し、この詩を見た成田為三が曲を付けました。その後、大正7年にセノオ楽譜のNo.98として出版されたのがこの資料です。「濱邊の歌」が最初に世の中に広く知れ渡るきっかけになりました。

作曲者・成田為三の出身地、秋田県北秋田市には成田為三の功績を紹介した「浜辺の歌音楽館」もありますので、お近くの方は是非訪れてみては?

ひとこと

現在2番までしか知られていない「濱邊の歌」ですが、最初に林古渓が作った詩は4番まであったと言います。しかし、雑誌『音楽』には何故か3番と4番の歌詞が合わさった形で掲載され、意味の通らない歌になってしまったことから、林古渓は3番が歌われることを嫌っていたそうです。

展示場所

1階 木造教室前(2021年9月末まで)

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