戦前の足踏みオルガン
昭和15年頃
製造会社
日本楽器製造株式会社横浜工場(旧:西川楽器製造株式会社)
紹介
わらべ館唱歌教室で活躍中の足踏みオルガンは、戦前に製造されたものです。平成31年3月、約半年にわたる平成の大修理を経て、わらべ館に戻ってきました。
鍵盤の数は49鍵(4オクターブ)で、ピアノの88鍵(7オクターブと少し)に比べると少なく、音域も限られていますが、音色はとても趣があります。左右にある10cm×20cmほどの台は、燭台等の灯りを置くスペースでした。
鍵盤のすぐ上の部分には、「Empire Organ」の表記とともに、「NIPPON GAKKI SEIZO KABUSHIKI KAISHA YOKOHAMA KJ」の銘がありますが、実態は西川オルガンです。これは、日本で最初にオルガンをつくったといわれる横浜にあった西川楽器製造株式会社が、大正10年(1921)に日本楽器製造株式会社(YAMAHAの前身)に吸収合併され、社名が変わった後もオルガンを作り続けたことに因みます。当時西川オルガンは、高い製造技術で知られていました。
今も使える状態で、戦前のオルガンが保存されているのは大変珍しいそうです。
ひとこと
足踏みオルガンはピアノと違って、鍵盤を押すだけでは音が鳴りません。音を奏でるためには、足でペダルを踏んで空気を送る必要があります。演奏者は、両手で鍵盤を弾きながら、同時に足でペダルを踏んで空気を送り、さらに膝で音量を調整するためニー・スウェルと呼ばれるバーを操っているのです。
毎週土曜日に開催している唱歌教室で、ぜひ音色をお楽しみください。
展示場所
1階 木造教室
演奏曲 – ♬ふるさと♬