辞令書(田村虎蔵 兼任東京音楽学校教授 高等官五等)

(写真: 1枚)

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わらべ館コレクション

発行年

明治43(1910)年

紹介

この辞令書は、鳥取県出身の作曲家である田村虎蔵(1873~1943)が、明治43(1910)年に受け取ったものです。

「東京高等師範学校訓導兼東京高等師範学校教諭従六位田村虎蔵/兼任東京音楽学校教授叙高等官五等/明治四十三年十月六日/内閣総理大臣正二位大勲位功三級伯爵桂太郎宣」と記載されており、当時30代後半だった田村が東京高等師範学校の訓導と教諭を兼任していたこと、そして東京音楽学校の教授に任命されたことが分かります。

母校である東京音楽学校の教授に任命された田村でしたが、その2週間後には自ら願い出て教授を辞めています。詳細な理由はわかりませんが、東京高等師範学校のみならずその附属小学校、附属中学校でも音楽を教える傍ら、全国各地の講習会の講師や、さらには唱歌集の出版など当時の田村が多忙を極めていたことは要因の一つと言えるかもしれません。

ひとこと

教員養成を目的に設置された高等師範学校には、音楽に限らず様々な分野の教育の専門家が集っていました。のちに「金太郎」や「大黒様」などを共に手掛ける石原和三郎と出会ったのもこの東京高等師範学校でした。「低学年の音楽教材は旋律歌詞ともにわかりやすく楽しいものであるべき」という意見が一致した彼らは、力を合わせて音楽教材へ変革をもたらすことになります。

展示場所

わらべ館1階 鳥取の音楽家たちの部屋(2025年8月10日から2025年10月14日まで展示)