ブルーベアー

(写真: 5枚)

(写真: 5枚)

わらべ館コレクション

制作年代

1980年代

制作者

ベアフット(Barefoot) / バーバラ・サンソーニ(Barbara Sansoni)

制作地

スリランカ

寸法

幅300mm×厚み140mm×高さ370mm

おもな素材

綿

紹介

明るく、鮮やかな青色と赤色のコントラストが特徴的なこちらのクマのぬいぐるみは、1989年に鳥取市制100年を記念して開催された「’89鳥取・世界おもちゃ博覧会」で展示された一品です。当時の台帳には、その目を惹く色からか、「ブルーベアー」と記載されています。

インド洋に浮かぶ島国、スリランカの織物ブランド、「ベアフット(Barefoot)」のぬいぐるみです。ベアフットは工場生産ではなく、デザインから糸の染織、出来上がった布地の縫製まで、すべてハンドメイドで行われます。そのため出来上がったものにはひとつとして同じものがありません。化学染料を使わず、植物の根、花、葉、果実、おがくずなどから作られる染料とオーガニックの結合剤で美しく染め上げられています。丁寧な色止め処置が施されているので、洗濯も可能です。

バーバラ・サンソーニとベアフット誕生

ベアフットは、スリランカ出身のアーティスト、バーバラ・サンソーニ(Barbara Sansoni /1928-2022)によって1964年に設立されました。バーバラは、1958年に仕事のない女性たちが織物を学ぶ工房での布地のデザインを依頼されます。それを機に織物を研究し、持ち前の優れた色彩感覚を活かして、鮮やかで大胆な色彩の組み合わせと抽象的なデザインを提案します。そしてすべての織り手が適切な訓練を受け、労働者として搾取されず、自立して働ける場を創出しました。

鮮やかな色のルーツ

スリランカには、熱帯雨林から乾燥地帯、高地、海と砂浜まで、豊かな自然環境と8つの世界遺産があります。幼少期から絵を描くことが好きだったバーバラは、自らが暮らすスリランカの美しい陸と海の風景や動植物に強くインスピレーションを受けました。島中を旅し、スケッチを重ねたバーバラは、生活や自然の色彩に魅了され、具体的なモチーフではなく、色と色が織りなすハーモニーそのものを表現し続けました。

半世紀以上の時を超えて、人と環境に優しいベアフットの品々は生み出され続けています。その唯一無二のぬいぐるみは、今も変わらずにバーバラが見出した色彩に対する深い愛情と喜びを宿しています。

ひとこと

ベアフットは、日本を含むアジアやヨーロッパ各国、オーストラリアやアメリカ合衆国など海外でも高い人気を誇ります。2017年には、スリランカ輸出開発委員会(EDB)によって手織り製品部門で最も貢献した輸出業者に選ばれています。

参考文献・WEBサイト

展示場所

わらべ館1階 エントランスホール(2025年9月30日まで)
わらべ館2階 いべんとほーる(2025年10月1日から10月20日まで)