山陰鉄道唱歌&車窓展望(山陰本線 鳥取―二條)

(写真: 12枚)

(写真: 12枚)

わらべ館コレクション

出版年

山陰鉄道唱歌楽譜/明治44(1911)年  車窓展望/不明

発行

山陰鉄道唱歌楽譜/関西新報社  車窓展望/福知山鉄道管理局

解説

『山陰鉄道唱歌』は、明治45(1912)年3月1日に京都駅~出雲今市駅(現・出雲市駅)で山陰線が全通するのを機に作られた作品です。全通の約3か月前、明治44(1911)年11月27日に発行されました。作詞は、当時、因幡高等小学校(現・鳥取市立久松小学校)の教諭だった岩田勝市(1884~1955)が、作曲は「金太郎」や「大黒様」などで知られる鳥取県岩美町出身の田村虎蔵(1873~1943)が手掛けています。京都を出発して出雲へ向かう内容の34番からなる大作で、歌詞には山陰の名所旧跡が登場します。鳥取市が登場する15番・16番では千代川(ちよがわ) 、湖山池、摩尼寺などが歌われています。ちなみに現在、京都駅と下関市の幡生(はたぶ) 駅を結ぶ山陰本線ですが、この区間で全通したのは昭和8(1933)年、須佐駅―宇田郷駅間の開業によってのことです。

『車窓展望』は、上段に鳥取から京都へ向かう車中から見える景色や名産、名所などがイラストで描かれ、下段にその土地(全地域でなく抜粋)の概況が記載され、さながら観光案内のようです。表紙には浦富海岸と遊覧船がデザインされ、鳥取砂丘や二十世紀梨、但馬牛に湯村温泉、餘部鉄橋、玄武洞、こうのとり、出石焼、渡月橋、金閣寺といった、今も馴染みのあるものばかりが登場します。また、駅間の距離(km)を表す数字も書かれており、この1冊で沿線の様々なことを知ることができます。

ひとこと

『車窓展望』は、ページが左に進むにつれて、鳥取、滝山、福部・・・となっており実際の地図の表記とは逆になっています。このことから、『車窓展望』は鳥取からの上り列車内で風景と見比べながら楽しむことを意図し作られたのかもしれません。

展示場所

1階 鳥取の音楽家たちの部屋(2024年6月末まで)