みかんの花咲く丘コンサートを開催
今日8月24日は名曲「みかんの花咲く丘」が作られた日、そして明日25日は同曲がNHK「空の劇場」で童謡歌手・川田正子の歌で放送された日で、誕生から74年となります。作曲者・海沼實は、翌日の生放送で川田が歌う海にちなんだ歌詞を探しており、そんな中『ミュジック・ライフ』の取材で川田を訪ねていた加藤省吾に白羽の矢が立ちました。依頼を受けた加藤は、わずか30分ほどで詩を書きあげたといわれています。
そんな誕生の日を前にした8月22日(土)に、加藤省吾のご息女・加藤三智さんによるお父様についてのお話と、わらべ館の童謡・唱歌専門員による演奏・解説の「みかんの花咲く丘コンサート」をいべんとほーるで開催しました。
加藤三智さんには、東京からオンラインでご出演いただき、お父様について貴重なお話の数々を聞かせていただきました。「父は詩人ではなく、作詩家で、つまり曲がつくことを想定して詩を作っていた」「家ではいつもニコニコしており、目覚めると父はいつも詩を書いていた」「家族を大切にし、また四季折々の行事をとても大事にしていた」など、ご家族ならではのお話に、参加者はじっと耳をすませて聞き入っていました。
演奏した作品は、全14曲。生涯に2000を超える作品を遺した、加藤省吾の人生を決める1曲となった「かわいい魚屋さん」や、代表曲の「みかんの花咲く丘」はもちろん、「お花のホテル」「ねんねのお馬車」「夢の小人さん」「月見草」など様々な雰囲気の選りすぐりの作品を、解説とともにお届けしました。
結びにあたり、加藤省吾が生前「歌は歌われてこそ歌になる」とよく話していたことを伺い、あらためて今回歌った作品を含め、もっともっと多くの方に作品を届けたいと実感しました。
童謡・唱歌企画展「加藤省吾没後20年展」は、8月31日まで開催中です。まだご覧になってない方は、ぜひ、自筆原稿や詩作に使った万年筆、ネクタイや時計などの愛用の品々や、作品が掲載された童謡絵本や楽譜集、教科書など約100点が並ぶ企画展へお越しください。