永井幸次作詞作曲「五十音唱歌」
発行年
すべての記事を読む
大正13年(1924)
出版社
大阪音楽学校楽友会出版部
紹介
鳥取市出身の作曲家で、大正4年(1915)に大阪音楽学校(現・大阪音楽大学)を創設した永井幸次(1874~1965)。
この曲は、永井が45歳になる少し前から刊行を開始した楽譜『合唱曲』シリーズの第7篇で、曲詞ともに永井の手によるイ長調の同声三部合唱曲です。
音楽学校だけでなく高等女学校や小学校でも教えていた永井は、教育現場の実態を見ながら作品を作ることを続けていました。この曲の凡例には「形式的の発声練習より脱して充分の興味を保ちつゝ母音の口形を正確に子音の響を鮮明ならしめんとて作りたるもの」との記載があり、子どもたちに曲を通して楽しみながら発声を学んでほしい、そんな思いが感じられます。新年度を迎えたこの季節にぴったりの作品ではないでしょうか。また一年生は合唱ではなくメロディーのみの単音で歌うようにとも書かれています。
ひとこと
当時大阪音楽学校の経営に奔走していた永井は『合唱曲』シリーズの他にも、『小学校唱歌新教材』シリーズや『N.T楽譜』シリーズなど様々な楽譜を発行しては、その収益を学校運営に充てていました。
メロディーの歌い手が移り変わっていく楽しい合唱曲なので、ぜひ家族で歌ってみてください♬
楽譜と音源
展示場所
1階 鳥取の音楽家たちの部屋
こちらもどうぞ
- 日本童謠全集(1)〜(6) 2023年 3月 10日
- 『金の星』第5巻第1号(正月号) 2023年 1月 13日
- 童謡集「赤い鳥小鳥」 2022年 11月 11日
- 「茶目子(ちゃめこ)の一日」日本で初めてレコード化された童謡 2022年 9月 9日
すべての記事を読む