今月のいっぴん「将棋入門!?」
童謡·唱歌とおもちゃの資料を、ひとつのテーマで展示している今月のいっぴん。9月のテーマは「将棋入門!?」。近年盛り上がりを見せる将棋の世界にスポットを当てています。
童謡からは、明治20年(1887)発表の唱歌「將碁之盤」を紹介。楽譜は数字譜で書かれています。
タイトルの前に「忠君愛国歌」とあります。将棋で忠君愛国?と歌詞をみると、「一人の王を守るため」に各駒が一命を捨てて働くことを忠君愛国の精神になぞらえています。
時代性を感じられて興味深いですね。
おもちゃからは、「中将棋」と「大型行軍将棋」を展示。
中将棋の駒をみると、「獅子」「鳳凰」など馴染みのない駒がたくさん…通常の将棋(本将棋)の駒が8種類に対し、なんと21種類も存在します。動きを覚えるだけで大変ですね…。更に大きな大将棋などもあります。
江戸時代以前には公家を中心に隆盛し、現在でもネット上などで比較的気軽に遊ぶことが出来ます。
行軍将棋(別名 軍人将棋)の駒には「大将」「地雷」(!?)「ヒコーキ」(!!?)と近代チックな文言が。日清戦争後に成立したとされ、実際の軍隊(大日本帝国)の階級や兵器の名称がつけられています。
ルールは本将棋と異なる部分も多く、名称を変更しただけではありません。
このように、将棋には時代が色濃く映し出されたものも数多く存在します。言い換えると、将棋がそれだけ普及していた証とも言えます。
8月の学芸員実習期間中に実習生の藤原さんに作成してもらったキャプションや解説パネルとともにエントランスホールにて展示中です。
クイズもあるので是非お楽しみください(^^)/